羽化の夢
私のガラスの花入れには水と植物と光と周りの空気に等距離に関わって欲しいと思っています。
木や花を切って生けるという行為に関して有名な言葉に千利休の「花は野に咲くやうに」というものがあります。
「野に咲くように生ける」とは花の姿をそのまま生けることではなく、その花に隠された本質や哲学や比喩を「切りとる」こと だと思うのです。そういう意味では花入れまで作ってまさに持って成す部分があると思っております。
この花入れは蝶をあしらった意匠となっております。ガラス表面の微妙な揺らぎはそこに生けられた花とともに蝶が飛び立ったあとの気配のようなものを表します。
軽く儚い蝶の生命を愛でるように花をいけていただければと思います。
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